将棋のyoutuberが、今めちゃくちゃ熱いことになっている

今、将棋の世界がyoutube上でめちゃくちゃ面白いことになっているのをご存知でしょうか。

youtubeでは今、ゲーム実況チャンネルの文脈をそのまま流用して、

・元アマチュア名人の将棋実況youtuber
・プロに7連勝する元奨励会3段のyoutuber
・現役プロ棋士の将棋実況youtuber

など、国内500万人いる将棋指しのなかでもトップクラスの超強豪が自分の将棋を実況しながら指してくれています。

彼らが実況するのは、主に将棋ウォーズというスマホアプリです。
将棋系youtuberは、最近話題のファンベースやコミュニティ論のような知見からも興味深いものがあります。

僕は2年ほど前に将棋を初めて以来、将棋系youtuberの動画を見続けてきたのですが、界隈の動きが最近とみに面白くて思わずまとめたくなってしまいました。
そこで今回は、そんな超ホットな将棋系youtuberの世界が今どうなっているのかについて書いていきます。

まさに今、将棋の革命がyoutubeで起きている

将棋系Youtuberは藤井聡太の29連勝や羽生の永世7冠などの世間的な追い風も受けて登録者数が増加の一途を辿り、若年層が多いYoutube界隈では比較的ニッチなジャンルながら、

クロノ:66,627人
元奨励会員アユム:59,518人
アゲアゲ将棋実況:31,983人
と、一定の登録者数を誇っています。

これまでの将棋観戦は、完全に一方的なものでした。
真剣勝負中のプロ棋士が、自分の指した手の意味をベラベラ話してくれることなどありえません。

しかし、youtubeの将棋実況は違う。
めちゃくちゃ強い人が、1手指すごとに手の意味を教えてくれるのです。

これは本当に革命的な出来事です。
勉強になることこの上なく、また、単純にコンテンツとしてもめちゃくちゃ面白い。

新聞が誕生したことによって民主化された将棋が、
ラジオによってリアルタイムでの観戦ができるようになり、
テレビによって視覚的に盤面を追えるようになりました。
そして今、youtubeによって双方向性をもった娯楽として生まれ変わったのです。

将棋系Youtuberの歴史

そんな将棋系youtuberも、はじめはたった一人の男から始まりました。
2015年頃、軽妙なトークと微妙な棋力を武器に配信を始めた男、クロノです。

クロノさんは元々ニコ生出身ということもあり、キャラクター性が抜群で視聴者から愛されました。最初の将棋系youtuberは、元奨励会員でもなんでもなく、元ニコ生主だったのです。

流れはさらに加速します。
2016年4月には、元奨励会3段のアゲアゲさんが実況を始めたのです。

奨励会3段というのは、これはもう、ほとんどプロです。
当然、アマチュアの中では鬼のように強い。みんなが日本刀で戦っているところに、突然マシンガンを持った男が乱入してくるくらいヤバい。

実際、アゲアゲさんは最近ではアマチュアながらプロ棋戦にも出場し、トッププロを含めたプロ棋士を相手に7連勝を決めています。

まさに、プロより強いYoutuber。
それがアゲアゲさんです。

そして、クロノ/アゲアゲの両雄を見た元奨励会員のアユムさんが実況を開始したのが2016年9月。

アユムさんはイケボと圧倒的棋力とお茶目なキャラクター、わかりやすい解説ですぐさま人気を泊しました。

アユム登場以降、将棋系Youtuberの世界は加速度的な成長を始め、将棋系youtuberは一気に戦国時代へ突入。群雄割拠と拡大の時代を迎えることになりました。

そうした流れを受け、2019年4月には、ついに現役女流プロの香川先生が登場。
続けて5月には、現役男性プロ棋士の伊藤真吾先生が将棋ウォーズ実況に参入してきました。

こうしてyoutubeには、元奨励会員、現役女流棋士、現役プロ棋士と、一通りの役者が出揃っていったのです。

切磋琢磨が将棋系Youtuber界隈そのものを成長させた

将棋系youtuberと言っても、それぞれの配信のスタイルはまったく異なります。

登録者数1万人前後の中堅将棋系youtubeで言えば、
– 振り飛車党でニヒルな元奨励会員ヤスさん
– 女性将棋系Youtuberの孫さん
– MENSA会員で元研修会員のショウヤンさん
– 関西弁と軽妙なトークが人気のハクさん
など、数々の将棋系Youtuberが切磋琢磨したことで業界全体が成長したのです。

個性が違うYoutuberが集まったことで、将棋系Youtuberへの入り口が数多く生まれました。

ファンは自分の趣味の合う配信者を見つける楽しみが生まれ、界隈全体が成長していったのです。

こうした成長は、企画力のクロノだけでも、棋力のアゲアゲだけでも、わかりやさすのアユムだけでもなし得なかったはずです。


広がる市場、拡大する危機感

さらに、最近では元アマ名人や現役女流棋士、プロ棋士の先生がYoutubeに参入してきました。

特にプロ棋士が参入して以降、棋力を売りにしてきた将棋系youtuberの中には危機感が広がりつつあります。

棋力に劣るクロノが将棋系Youtuberでトップであり続けている理由

しかし僕は、プロが参入してきたからと言って特に影響はないんじゃないかと思うのです。

例えば、クロノさんは他の将棋系トップYoutuberに棋力では敵いません。
しかし、登録者数では勝っている。これは、ひとえに彼が持つキャラクター性と視聴者との交流の多さが理由です。

今の時代、プロ棋士より将棋ソフトのほうが圧倒的に強いです。
しかしプロ棋士の存在価値がなくなったかというと、そうでもない。

これと同じようなことが、将棋系youtuberにも言えるのではないでしょうか。

プロが参入してきたからアマチュア将棋系youtuberが見られなくなるなんてことはなく、視聴者はクロノさんのキャラクター性のような、棋譜以外の付加価値を求めて動画を見ている可能性が高いです。

将棋系youtuberの場合、問題とすべきなのはトーク力やキャラクター性のほうです。

「将棋ウォーズ」の検索トレンドはリリース直後の水準に近付きつつある

将棋界隈は2017年に藤井聡太の29連勝や羽生善治永世7冠のような瞬間最大風速的な追い風を経験していますが、最近の将棋ウォーズはその時期以上の検索ボリュームがあります。

その理由の一旦には、将棋系Youtuberの活躍によってユーザーのコミュニティ化が進んだことにも原因の一旦を求めることができるのではないでしょうか。

将棋ウォーズの世界では、今、youtuber中心のコミュニティが乱立している状態です。
各youtuberのコメント欄には常連さんが数多くコメントを残し、視聴者同士でも交流を図っています。

昨日まで視聴者だったユーザーが新しく将棋ウォーズ配信を始め、実況者大会をきっかけにyoutuberとしてブレイクしていく・・・。

そんな光景が日常的に繰り返されているのです。

動画配信 ≒ 現代のコミュニティ

昔よくあった、

児童館で友達が遊んでいたゲームを遊ぶ。
クラスで流行っていたまんがを読む。

みたいなことが、今はYoutubeなどの動画配信まわりで起こっています。

メディアの多様化によって趣味の細分化が進んでいるため、リアルの場所では中々話が合わなかったりする。
そのため、視聴者はYouTuberを気が合う友達みたいな感覚で見てるんじゃなかろうかと考えています。

将棋系youtuberの事例でいえば、元々将棋が好きだった人が視聴者として入っていくこともあるし、たまたま動画を見ちゃった人がそれをきっかけに好きになっていくこともありそうですね。

将棋系youtuber界隈を長年観察してきて気づいたことは、ファンが増えてコミュニティが育っていく仕組みは三位一体であるということです。

どこか1つだけ無理に伸ばそうとするのは、上手くいかない可能性が高いです。
マジメにコミュニティを伸ばそうと思うなら、クロノさんのように地道に熱量高いファンを増やして成長させるのが結局1番確実なんです。

Published by

すいそ

ほめられて伸びるタイプです。 カレーが好きです。ふだんはゲーム作ってます。 Twitter : suiso_ でやってます。

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